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ここは管理人 嵯峨ゆうや の趣味のブログSS小部屋です。

【 聖夜 -holy night - 】・2

嵯峨 ゆうや

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 エドワードとロイ・マスタングは世間一般で『恋人』と言う関係になって久しい。
 最初は成り行き、と言った感じで始まった関係ではあったけれども、妙に居心地が良く面倒な事もないといった感じで、今に至っていた。
 もちろん公には出来ない関係で有る為、エドワードは弟にも内緒でロイと会わなければならない。
 けれども、旅を続けているエドワードとセントラル勤務のロイでは、そう度々会うことも出来ないのが現状だった。
 
 最後にあったのが夏の終わり。
 
 旅の途中に資料探しにセントラルに寄り道した際に、アルの目を盗んで慌ただしく体を繋げた。短い逢瀬だったけれど、エドワードにはほっと出来る時間だった。事が済んだ後、エドワードが気怠い体を大佐に寄りかけると、無言で抱きしめてくれた。
 言葉はなくともそこに待っていてくれる人がいると言う事が、次の旅への力になる。
 それからエドワードは各地を飛び回っていて、ロイの元に来ることは出来なかった。



 数日前。エドワードは報告書を郵送で送る事を伝える為に司令部に定期連絡の電話をした。
 遠方からいちいち報告書を届けに行くことは非効率的な為、そんな場合は郵送で送っている。

 しかし、今回は思いがけないことを言われた。
『…鋼の。今回の報告書はセントラルに来て直接持ってきたまえ。色々と聞きたいことがあるんでね。』
「はあ?んじゃ、今聞けよ?何だよ!!」
『………はぁ…。』
 電話の向こうで溜息が聞こえた。
「何だよ?さっさとしろよ、大佐!!」
『…電話では長くなりそうでね。それにここ暫く報告書は全て郵送だったろう?…たまには顔を見せに来たらどうだね?』
「な…何で俺が大佐の顔見に行かなきゃなんないんだよ!俺は忙しいの!!」
 暗に会いたいと言われて、エドワードは焦った。
側にアルフォンスがいるのに、顔に血が上って赤くなるのが分かった。
「…ここからセントラルまでどのくらい離れてると思ってんだ?面倒くさいってのっ!!」
『帰ってこれない距離でもないだろう?…では、待っているよ。』
「おいっ!! 大佐っ!! …信じらんねぇ…電話切りやがった!!」
 会いたくないと言えば嘘になる。
 でも、大佐の側は居心地が良すぎて時々不安になってしまうのだ。
 自分には成すべき事がある。
 けれども、それを一瞬忘れてしまう事が…エドワードは怖かった。


…兄さん。ねえ?兄さんってば!!」
「…え?」
 アルフォンスの呼びかけに突然意識が戻ってきて、エドワードは状況を把握することが出来ない。
  何度呼びかけても反応が無かった為に、アルフォンスの手が先を歩いていたエドワードの肩を掴んだのだった。
「な…何だ?アル?」
「…何だじゃないよ、全く!兄さんってば、いきなり難しい顔して考え始めたと思ったら、一人でどんどん歩き始めてさ…気が付いてる?もう司令部の前まで来てたって事。」
 そう言われて、いつの間にか見覚えのある場所まで歩いてきていたことに気が付いたのだった。
「わ、わりぃ!! 考え事してたら、着いちまったみたいだな。あ、あははは。」
 いつの間に?とエドワードは内心焦った。
「あははじゃないよ。さっきから何度も話しかけてたのに、兄さんてば返事までしたのに!全部無意識だったんでしょ?このまま通り過ぎちゃうのかと思ったよ。」
「ご、ごめん、アル。悪りぃ、悪りぃ!」
「も~、知らない!!」
「待ってくれよ。アル~っ!!」
 プンプンと怒った様子で司令部に入っていくアルフォンスに、エドワードは慌てて追いかけていった。